リノベーション物件を提供する際に悩むのは?
①立地(購入層がいるかどうかが重要)
②価格(いくらなら購入層に響くか?リノベしてその金額で提供できるか?)
③間取り(購入層の想定をし、その層に届く間取りで、響く家が出来るか?)
の3つですかね。
その中の間どりについて、昨日のこんなのやってみたい「バイクハウスリノベーション」に続き実際の引き渡した例で解説します。
最終第5案まで考えて決まりましたが、それまでのストーリーを解説したいと思います。
では昭和50年代の外観も内装も和風の平屋戸建てです。
これから何点か間取り図が出ますが、どれも上が北です。
これを見て今の平成生まれの方はまず心に響きません。
なぜ?
先ず
①和室が多いのはいらない、まだ1部屋くらいなら良いが3部屋はね。
確かにソファーやダイニングテーブルを使うようになった人々にとって和室(床に座るような感覚)はあまり必要ではありませんね。
②えっ?リビングはどこ?
確かにリビングはどこでしょうね?
この時代のリビングは図面右下の6畳の和室です。
ここは東側から人が入ってくるんですが、玄関に行く前にここの部屋の南側Nの窓から入って来ます。(まあ少し農地があるようなところはそんな感じでしたよ)
この和室がある方向が昔の表現でいうと「辰巳の方角」という家相でいう最高の場所となり、ここに皆が集まり、福が来やすいと言われてました。
③キッチンって対面でないの?
そうそう昭和の時代はキッチンのすぐ後ろにダイニングテーブルがあって、そこで皆が食べるというスタイル。
冬になって鍋するときはすぐ南側の和室にコタツを敷いて皆で囲む。
キッチンがすべてフルオープン、ここには家族以外が入ることはまずありえませんので、こういうスタイルが昭和では普通です。
そして北側の暗い場所にあります。
食べ物が腐らないように直射日光が入ってこないという配置ですが、この家の新築時にはもう冷蔵庫も普通にあった時代なんですけどね。
④和室の2間続きって要るの?一番いい場所にそれありませんか?
まあそうでしょうね、この2間続き(二間続き)の和室はお客様用です。
村の集まり事、法事などの行事、年末やお盆に帰省した家族が泊まる...
1年のうちにほとんど300日くらいは使わないスペースと言っても良いでしょう。
お客様のために陽当たりの良い部屋をいつも空けておく。
今の方々には全く分からない発想です。
そもそもそんな部屋もったいない、帰省があれば夜は近くのホテルに泊まる、冠婚葬祭は近所のホールを使う、寄り合いは公民館でするみたいになると客間って要るの?
ってなってきてますよね。
こういう風に問題点を挙げてそれを解消するべく間取りを考えて行きます。
では第1案目
まあそうはいっても2間続きの和室、欲しい人もいるのでは?
とのことで対面式キッチン、リビングを東側に配しました。
そして北西の洋室は寝室に。
夫婦2人なら和室残したままこれで良し。
和室はお茶やお花の稽古にも使えるし、やっぱり和室が好き!そんな方には良いかも?
ですが、買う人が限られそう。
②と③の疑問点を解決しただけの間どりとなります。
流石にスタッフから却下されました。
まあ最初だからね、これから徐々に良くなるよって感じの第1案でした。
少し長くなりましたので、第2案以降は次回に続きます。
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記事作成:R.SAKAMOTO(坂本)
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