最近、住宅ローンの利用者層に大きな変化が起きているのをご存知でしょうか?
少し前までは「住宅ローンといえば30代」というイメージが強かったのですが、どうやらその常識が変わりつつあるようなんです。
先日、朝日新聞のネット記事を読んで、非常に考えさせられました。
それは、40歳を過ぎて住宅ローンを組む人が急増しているという内容です。
特に、長期固定金利の「フラット35」では、2023年度の申込者のうち、なんと約6割が40代以上だったとのこと。
10年前と比べると、この比率は完全に逆転しています。
なぜ40代以上で住宅ローンを組む人が増えているのか?
記事によると、この背景には「晩婚化」があるようです。
結婚の年齢が上がれば、自然とマイホームを検討する年齢も上がっていくということですね。
確かに、私の周りでも30代後半や40代で結婚し、その後で家探しを始めるお客様が増えています。
老後破産のリスクと隣り合わせ?
しかし、ここで一つ懸念されるのが「老後破産」のリスクです。
フラット35の平均借入期間は32年とのこと。
もし40代でローンを組むと、多くのケースで70代以降も返済が続く計算になります。
住宅金融支援機構の担当者は、「無理のない返済計画を立てているはず」と考えているようですが、警鐘を鳴らしている専門家の方もいるようです。
「完済予定年齢が70歳を超えると、住宅ローン破綻に陥るリスクが高まる」
なぜなら、高齢になればなるほど、以下のような「想定外の事態」に直面する可能性が高まります。
〇役職定年やリストラによる収入減
〇病気や怪我による医療費の増加
〇親の介護による離職や支出の増加
これらは、若い頃にはなかなか想像しにくい現実です。
購入に際し再度考えるべきこと
この現状を踏まえて、不動産購入者が住宅ローンを組む際に特に意識すべきことは何でしょうか?
「完済予定年齢」の現実的な把握: ローンの開始年齢が上がれば上がるほど、完済が老後に差し掛かります。その年齢での収入や生活費を具体的にシミュレーションすることが重要です。
「ゆとりを持った返済計画」の重要性: 毎月の返済額だけでなく、手元の資金にどれくらいの余裕を持てるかを常に考える必要があります。想定外の出費や収入減に備えた貯蓄は必須です。
「ライフプランの変化への対応」: 結婚、出産、転職、親の介護など、人生には様々な転機が訪れます。これらの変化が住宅ローン返済にどう影響するかを、事前に夫婦や家族で話し合っておくことが大切です。
「繰り上げ返済」の検討: 余裕がある時に積極的に繰り上げ返済を行い、返済期間を短縮したり、総支払額を減らしたりする努力も有効です。
住宅ローンは「借りて終わり」ではない
住宅ローンは、多くの人にとって人生で最も大きな買い物の一つです。そして、その返済は長期にわたるマラソンのようなものです。
一度借りたら終わりではなく、その後の人生の変化に合わせて、柔軟に、そして計画的に向き合っていく必要があります。
特に40代以上で住宅ローンを検討されている方は、将来のライフプランを今まで以上に具体的に描き、リスクを最大限に考慮した上で、慎重な判断を下していただきたいと思います。
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記事作成:坂本(R.SAKAMOTO)
NO.835